2024年度、当財団では新たに約380名の技能実習生を受け入れました。実習生の皆さんは、新しい日本での実習生活へ期待と不安を胸に入国してまいりました。
1ヶ月間の入国後研修では、母国でも学習してきた日本語や、日本での生活などを学習し、全国の所属先にそれぞれ実習配属されていきます。
そして、各技能実施先(企業)において新たな日本での実習生活が始まります。
しかし、初めての異国に、実習生はいろいろと戸惑うこともあります。この戸惑いが、コミュニケーションがうまくとれないとか、日本と母国とのギャップなどであれば、本人が努力すれば克服するのですが、事故や災害につながってしまうと、本人はもとより、その家族も災難、困難に直面します。
事故・災害はさまざまな原因で起こります。業務上においては、機械の使用方法の知識不足や安全意識の欠如による不安全行動により、実習生が傷害となる事例が報告されています。
また、業務外においても、普段の生活において怪我や体調不良を起こす実習生もいます。その中で、最近は自転車による事故が非常に増加しています。
自転車は実習生にとっても、通勤や普段の生活においても非常に手軽で便利な乗り物です。しかし、その使用方法やルールを誤ると、時には命に関わる事故も起こしてしまいます。
当財団にも、さまざなま自転車運転による事故の報告が上がってきています。その事例をいくつか挙げてみます。
①業務終了後帰宅時に、交差点で他の自転車と出会い頭に衝突し骨折。
事故当時は明け方でまだ暗かった。
②自転車で走行中、前方不注意により停止している車に接触。車に傷を負わせる。本人はヘッドフォンを着用していた。
③休日に自転車で走行中転倒し、擦り傷を負う。
これらはほんの一例にすぎず、他にもさまざまな原因による自転車の事故が発生しています。時には歩行中にルール無視の自転車との接触事故もあります。自転車は容易な乗り物から加害者となったり被害者となったりします。
これらの状況をふまえ、当財団では技能実習生、特定技能外国人に対して安全な自転車の走行を行っていただくための注意喚起の一環に、安全交通講習の他に「自転車のルールを守ってください!」というリーフレットを作成しました。リーフレットは、日本語バージョンと実習生の母国語バージョン(中国語/ベトナム語/インドネシア語)で作成しました。
当財団としても、このリーフレットを活用しながら、とりわけ新規に入国した実習生に対し安全意識の向上や、安全に対する注意喚起を行ってまいります。各企業におかれても、このリーフレットを活用いただき、自転車の走行ルールについて教育していただき、事故・災害のない生活が送れるよう取り組んでいただきたいと思います。
春から夏にかけて、東南アジアや中国からツバメをはじめ多くの渡り鳥がやってきます。その中にコバルトブルーのアイリング、体長の3倍近い尾羽を持つサンコウチョウという大変珍しい鳥がいます。
昨年、八王子に来ているとの情報をたよりに見に行き、出会うことができました。ちょうど巣で子育てをしている最中で、懸命に活動している様子を眺めていると、私には同じく日本に来てがんばっている技能実習生・特定技能外国人の姿と重なりました。
遠くの地から来て様々な苦労があると思いますが、日本での経験を生かし、地元に戻ってもがんばってほしい。 そしてヒナが成鳥となり、また日本に元気に戻ってきてほしいと願いながらしばらくの時を過ごしました。
(MO)